1.現在の都市は誰が創ったのか

都市には無数の機能がある、その機能にあわせて様々な形態が生み出されてきた。そのような機能や形態や仕組みといったものを生み出してきたのは、他でもない私達の「脳」である。
 およそ「都市」と呼ばれている場所において、私達の脳が関与していないものは皆無である。都市にわずかに残った自然にしても、その場所に木や花を残す事を決めたり、植栽する事を決めたのは、私達の脳である。

 

 このようにして脳は地球上のすべてを脳自身のイメージで多い尽くそうとしている。この事がまさしく環境破壊そのものであると気がついたのはごく最近のことである。しかし、私達の脳が何故そのようなことを欲してしまうかという、根本的な疑問にはまだ誰も答えられない。
 この先、脳が支配するエリアを広げて行けば行くほど、どうしようもなく最後に残る「自然」に気がつくであろう。そして、脳自身はその最後に残る「自然」によって滅ぼされるのだ。
 地球上の99%が脳のイメージで埋め尽くされても、決して100%にはなり得ないのである。最後に残される自然とは、私達のこの身体である。破壊された環境の中で痛めつけられ正常に機能できなくなった身体の死によって、私達の脳もほろびていく。
 脳に復讐すべく自然は言うまでもなく、脳を支えている私達の身体なのである。

 

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